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[相談]

私は建設業を営む会社を経営しています。

ここ数年の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、業務量が減少したことから、当社の従業員への残業手当支給額は以前より減少しています。その影響もあり、ここ数ヶ月間、給料日まで生活費がもたないからお金を貸して欲しいという要望を、複数の従業員から受けるようになりました。

そこで、やむを得ず(令和4年中に)従業員に会社の金銭を貸し付けることにしたのですが、その貸し付けにあたり、税務上、利率はどのように設定すればよいのでしょうか。

なお、この貸し付けのための資金は、会社の余剰金を用いる(この貸し付けのために新たな借り入れ等は行わない)予定です。

[回答]

ご相談の場合、原則的に、利率は年0.9%とする必要があります。

[解説]

所得税法上、使用者(会社)が役員又は使用人(従業員)に貸し付けた金銭の利息相当額については、
①その金銭が使用者において他から借り入れて貸し付けたものであることが明らかな場合には、その借入金の利率により
②その他の場合には、貸し付けを行った日の属する年の「利子税特例基準割合」による利率により
評価するものとして取り扱われています。

上記の「利子税特例基準割合」とは、平均貸付割合(各年の前々年の9月から前年の8月までの各月における短期貸付けの平均利率の合計を12で除して計算した割合として各年の前年の11月30日までに財務大臣が告示する割合をいいます)に、年0.5%の割合を加算した割合をいうものと定められています。

昨年(令和3年)11月に財務省が告示した平均貸付割合は年0.4%であったため、令和4年に役員や従業員に金銭の貸し付けを行った場合の利子税特例基準割合は、上記の平均貸付割合(年0.4%)に0.5%を加算した、年0.9%となります。

したがって、今回のご相談の場合、会社は自己資金で従業員への貸し付けを行うことから、(令和4年中に貸し付けを行う場合には)その利率は年0.9%に設定する必要があることとなります。

なお、災害、疾病等により臨時的に多額な生活資金を要することとなった役員や従業員に対し、その資金に充てるために会社が金銭の貸し付けを行った場合には、その返済に要する期間として合理的と認められる期間内については、無利息としても税務上差し支えないこととされていますので、念のためご留意ください。

 

 

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