【福祉】介護保険と消費税
台東区の福祉事業・ヘルスケア事業に強い税理士事務所の
「みらいサポート会計事務所」です。
「創業融資」「法人成りタイミング・会社設立」「最適役員報酬」「手残り資金最大化」は、
みらいサポート会計事務所へおまかせください!
ご相談事例形式でお役立ち情報をご案内させていただきます。
[相談]
私達はこのたび、NPO法人(特定非営利活動法人)を設立することとなりました。
そのNPO法人では居宅介護支援事業所とデイサービスを運営する予定ですが、介護保険に関する消費税の取扱いについて教えてください。
(相談1)
NPO法人が介護サービス事業を行う場合の消費税の取扱いの概要を教えてください。
(相談2)
当法人では上記事業の他に、地域の住宅メーカーと協力して、利用者向けの住宅改修事業を開始することを検討しています。
当法人における住宅改修事業は、その費用を償還払い方式(費用の100%を要介護者等がいったん全額負担した後、そのうち一定割合を要介護者等から市町村などの保険者へ請求する方式)により行う予定ですが、消費税法上の取扱いはどのようになるのでしょうか。
[回答]
(相談1について)
貴法人が提供される予定の介護保険の各サービス(居宅介護支援事業所、デイサービス)については、原則として、消費税は非課税となります。
(相談2について)
介護保険給付の対象となる住宅改修費の支給であっても、消費税法上は非課税とはなりません。
[解説]
1.NPO法人が提供する介護サービスと消費税
NPO法人とは、特定非営利活動促進法の規定に基づいて設立される特定非営利活動法人のことです。なお、NPO法人に対する消費税法の適用に関しては、特定非営利活動促進法において消費税法別表第三に掲げる法人とみなすこととされています。
このため、消費税の納税義務者、課税の対象、免税事業者の判定等についての考え方は、原則的には個人事業者や一般法人と同じです。
さて、NPO法人が介護サービスを提供する場合、その提供するサービスが介護保険制度における居宅介護サービス及び施設介護サービス(注)である場合は、これらのサービスを提供する介護サービス事業者がいわゆるNPO法人か否かに関わらず、原則として、消費税は非課税とされています。
ただし、介護サービスとして行われるサービス等であっても、要介護者の求めに応じて提供される特別な食事や特別な居室等の料金は、非課税範囲から除かれます(なお、これらの料金は介護保険の給付対象からも除かれています)。
(注)居宅介護サービスと施設介護サービスの違い
居宅介護サービスとは、自宅に居ながら利用できる介護サービスのことです。また、施設に入所していても、そこが居宅とみなされる場合は、その施設でのサービスは居宅サービスに含まれます。一方、施設介護サービスとは、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)などに入所している方が利用する介護サービスのことです。特別養護老人ホーム以外の施設には、介護老人保健施設、介護療養型医療施設が該当します。
2.住宅改修費の支給と消費税
介護保険制度における住宅改修費とは、在宅の要介護・要支援者が現に居住する住宅について、手すりを取り付けたり、床を滑りにくい材料に変更するといった小規模な改修を行ったりしたときに、かかった費用のうち一定限度額以内の9割分(または8割分)が支給される制度です。その住宅改修費の支給は、今回のご相談のように事業者指定制度のない償還払い方式(要介護者等が支払った費用相当額の一定割合を後日の請求により支給する方式)により行われることが多いようです。
さて、消費税法上非課税となる介護保険給付は法令等に限定列挙(列挙されているものだけが消費税非課税となる)されていますが、介護保険給付の対象となる住宅改修費の支給については、法令等に列挙されていません。
よって、ご相談の住宅改修費は介護保険給付の対象となるものであっても、消費税法上の非課税とはならないのです。
介護保険サービスの大部分が消費税法上は非課税とされているため、多くの場合、介護保険サービスを提供するNPO法人が消費税法上の納税義務者に該当する可能性は低いと思われます。
ただし、上記のように介護保険サービスであっても消費税法上の非課税とならない取引も存在します。それらの金額が積み重なると、場合によっては納税義務者の要件に該当し、消費税の納付義務が発生する可能性もあります。
思わぬ消費税納付が発生しないよう、NPO法人に関する消費税の取扱いについては、日頃から顧問税理士にしっかりと確認されることをお勧めいたします。
「みらいサポート会計事務所」は福祉業・ヘルスケア事業の経営を応援しております。
福祉業の新規開業や融資獲得サポートをプロ税理士が強力サポートいたします。
福祉業・ヘルスケア事業の開業支援税理士におまかせください!