【経営】個人情報保護法の改正
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個人情報保護法には、企業や団体が情報を有効活用する上で、利用者や消費者が安心して企業や団体に個人情報の取扱いを依頼できるように、情報の取扱いにおける共通のルールが定められています。この法律は、原則としてすべての事業者に適用され、各事業者の法令遵守状況は、個人情報保護委員会が監督しています。
なお、2017年に個人情報保護法が改正された際に、「いわゆる3年ごと見直し」に関する規定が設けられました。これは、法令が環境の変化に後れを取ることがないよう、3年を目途に法令の見直しを行うことを規定したものです。本規定に基づき、2017年から3年が経過した2020年6月12日に、個人情報保護法の改正法が公布(2022年4月1日全面施行予定)されました。今回の改正について、最低限確認しておくべきポイントは、以下の2点です。
Point.1 個人データ漏洩時の報告・通知義務化(2022年4月1日~)
※現行法では報告・通知義務なし
今回の改正により、情報漏洩等が発生し、個人の権利利益を害するおそれがある場合においては、その事実を個人情報保護委員会へ報告するとともに、被害を受けた本人へ通知することが義務化されました。なお、個人の権利利益を害するおそれがある場合とは、「要配慮個人情報の漏洩」「不正アクセス等による漏洩」「財産的被害のおそれがある漏洩」「一定数以上の(1,000件を超える)大規模な漏洩」などが挙げられます。
Point.2 法定刑の厳罰化(2020年12月12日~)
法定刑の厳罰化については、2020年12月12日よりすでに施行されています。具体的には、下表の通り、「個人情報保護委員会からの命令への違反」「個人情報データベース等の不正提供等」「個人情報保護委員会への虚偽報告等」に関して、それぞれ懲役刑・罰金刑が引き上げられました。
特に、「個人情報保護委員会からの命令違反」「個人情報データベース等の不正提供等」を行った法人等に課せられる罰金刑は、1億円以下に引き上げられるなど、ペナルティの金額・内容は大きく変わっています。
法規制の実行力を高めることを目的に、法定刑がより厳罰化されているため、個人情報の取り扱いについては、より一層注意が必要です。早々に、情報漏洩発生時における報連相のルールとルートを整備するとともに、社員へ注意を促しましょう。
懲役刑 | 罰金刑 | ||||
改正前 | 改正後 | 改正前 | 改正後 | ||
個人情報保護委員会からの命令への違反 | 行為者 | 6月以下 | 1年以下 | 30万円以下 | 100万円以下 |
法人等 | – | – | 30万円以下 | 1億円以下 | |
個人情報データベース等の不正提供等 | 行為者 | 1年以下 | 1年以下 | 50万円以下 | 50万円以下 |
法人等 | – | – | 50万円以下 | 1億円以下 | |
個人情報保護委員会への虚偽報告等 | 行為者 | – | – | 30万円以下 | 50万円以下 |
法人等 | – | – | 30万円以下 | 50万円以下 |
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