【旅費規定】インボイス制度施行後の旅費・交通費
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インボイス制度施行後の旅費精算についてご教示下さい。
インボイス制度が施行された後では、従業員が業務上生じた旅費交通費を精算する際に、帳簿のみ保存特例により仕入税額控除が認められるケースの一つとして
「従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)」
がございます。
消費税基本通達逐条解説によれば、消基通11-2-1の趣旨としては
・旅行に要する費用の全てにおいて実費精算を行うことは実務上困難な場合が少なくない
・雑多な費用の個々の支出について必要性を判定するのは実務上困難
であることを理由に、その旅行に通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲内であれば出張旅費等は課税仕入に係る支払対価に該当するとしています。
一方で通常勤務において生じたタクシー代については、従業員が立替払いしたものを適宜精算するため、仕入税額控除には原則としてタクシー業者から発行されたインボイス(簡易インボイス可)が必要となると考えています。(3万円基準が適用される公共交通機関は電車、バス、船舶の3つに限定されていますので)
ここで疑問なのですが、インボイス制度施行後に免税事業者が運行する個人タクシーを利用した際には前者と後者で仕入税額控除の取り扱いが変わってくるのでしょうか。
会社によっては出張に係る旅費についても全て実費精算としているところも相当数あり、この場合は従業員が通常勤務で発生したに立替旅費と同じような過程で精算されています。
同じ実費精算であっても、出張旅費特例により支払われるものはインボイス不要で、通常の立替精算により支払われるものはインボイス必要となった場合には、免税事業者が運行する個人タクシーを利用したときや免税事業者が経営する宿泊施設を利用したときに、両者に整合性が取れなくなってしまわないでしょうか。
税務通信3697号(2022.3.28号)の記事では、実費相当額の支給でも出張旅費等特例の適用OKとありますが、その例として新幹線の利用のケースが挙げられていました。
また従業員の通勤に要する定期代についても、毎月の給与において「通勤手当」として支給している会社もあれば、従業員が一時的に立替払いした通勤定期購入費を実費で精算している会社もあります。
前者であればインボイスが不要ですが、後者は自動券売機から発行されるインボイスが必要になるということでしょうか。
通勤定期代の精算には「定期券のコピーを添付する」という運用をしている会社も多いのですが、今後はきちんとインボイスが必要になるのでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
A
> ここで疑問なのですが、インボイス制度施行後に免税事業者が運行する個人タクシーを利用した際には前者と後者で仕入税額控除の取り扱いが変わってくるのでしょうか。
そうですね。
インボイスが不要で帳簿のみで控除できるケースと、インボイスに基づく控除であれば、同じ免税事業者からの仕入れでも、異なる結果になると思います。> 会社によっては出張に係る旅費についても全て実費精算としているところも相当数あり、この場合は従業員が通常勤務で発生したに立替旅費と同じような過程で精算されています。
実費精算なら、本来は立替金の精算の処理をすべきなのだと思います。
ただ、実質的には立替金の精算であったとしても、実務としては、通常必要と認められる出張旅費等に該当するとして、税額控除が認められるのかなという雰囲気はあります。理論的には、実費に基づいて計算した額を、従業員に出張旅費等として支給すると、旅費規程を定めてもらえばよいのだと思いますし、そのような相談を受けています。
> 同じ実費精算であっても、出張旅費特例により支払われるものはインボイス不要で、通常の立替精算により支払われるものはインボイス必要となった場合には、免税事業者が運行する個人タクシーを利用したときや免税事業者が経営する宿泊施設を利用したときに、両者に整合性が取れなくなってしまわないでしょうか。
整合性が取れなくても、立替金の精算と、通常必要と認められる出張旅費等は、別の制度ですから。
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> 税務通信3697号(2022.3.28号)の記事では、実費相当額の支給でも出張旅費等特例の適用OKとありますが、その例として新幹線の利用のケースが挙げられていました。
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> また従業員の通勤に要する定期代についても、毎月の給与において「通勤手当」として支給している会社もあれば、従業員が一時的に立替払いした通勤定期購入費を実費で精算している会社もあります。
> 前者であればインボイスが不要ですが、後者は自動券売機から発行されるインボイスが必要になるということでしょうか。
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> 通勤定期代の精算には「定期券のコピーを添付する」という運用をしている会社も多いのですが、今後はきちんとインボイスが必要になるのでしょうか。これについては、通勤手当の支給に関する規程で「従業員に支給する」になっているのではないでしょうか。通勤手当支給規程では、従業員に支給するという記載の文言が多いと思います。
結局、実務がどの程度弾力的に運用されるかなのですが、大きめの会社などでは、保守的に規程の整備を進めているようです。
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