☆電子帳簿保存法☆適正保存しなかった場合の青色申告承認取消しリスク
台東区の税理士事務所「みらいサポート会計事務所」です。
「税務」「経理」「創業融資」「法人成りタイミング・会社設立」「最適役員報酬」「手残り資金最大化」は、
みらいサポート会計事務所へおまかせください!
相談事例形式で最新情報をご案内させていただきます。
[相談]
会計事務所に勤務する者です。
令和4年1月1日から施行される改正電子帳簿保存法における電子取引データの保存について、その保存方法が法律上の要件に従っていないと、青色申告の承認の取消しリスクがある旨が国税庁から公表されています。
この点について、担当している企業の多くから不安の声が寄せられているのですが、その取扱いについての変更などの情報はないでしょうか。教えてください。
[回答]
ご相談の件については、令和3年11月12日に国税庁が追加情報を公表しています。詳細は下記解説をご参照ください。
[解説]
1.改正前と改正後の電子帳簿保存法上の電子取引に係る保存方法の変更点
現行の電子帳簿保存法では、「所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。」(第10条)と定められています。
ただし、「財務省令で定めるところにより、当該電磁的記録を出力することにより作成した書面又は電子計算機出力マイクロフィルムを保存する場合は、この限りでない。」(第10条)とも定められていることから、現行法が適用される令和3年12月31日までの間に行われた電子取引(例:メール添付で取引先から受領した請求書など)については、現行法上はその取引記録を書面で出力することにより保存する方法も認められています。
これに対し、令和4年1月1日施行の改正電子帳簿保存法では、上記のただし書き部分が削除されているため、電子取引の取引記録を書面出力して保存する方法は法律上認められなくなりました。
また、改正前・改正後の同法の「保存義務者」については、いずれも「国税に関する法律の規定により国税関係帳簿書類の保存をしなければならないこととされている者をいう。」(第2条)と定められており、電子帳簿保存制度を導入している者だけに限定されていないことから、電子帳簿保存法は、実質的にすべての企業が適用対象となると考えられます。
以上のことから、改正法が施行される令和4年1月1日以後に行われる電子取引については、電子帳簿保存制度を導入している・いないにかかわらず、書面出力(印刷)して保存する方法は認められなくなり、電子帳簿保存法の要件に則った方式で電子保存する必要があることとなります。
2.青色申告の承認の取消しリスク
上記1.について、国税庁は「電子帳簿保存法Q&A(一問一答)」において、「令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、その電磁的記録を出力した書面等による保存をもって、その電磁的記録の保存に代えることはできないこと」を明記するとともに、「したがって、災害等による事情がなく、その電磁的記録が保存要件に従って保存されていない場合は、青色申告の承認の取消対象となり得ること」も公表しています。
このQ&Aに対する納税者の不安の声に対し、国税庁は、令和3年11月12日に、「電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務に関する今般の改正を契機として、電子データの一部を保存せずに書面を保存していた場合には、その事実をもって青色申告の承認が取り消され、税務調査においても経費として認められないことになるのではないかとの問合せがあります。
これらの取扱いについては、従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにもかかわらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。」という追加情報を発信し、各企業での電子取引データの保存方法・取扱いが青色申告の取消しには直結しないことを公表しました。
上記の取扱いが公表されたことで、改正電子帳簿保存法における電子取引データの保存方法の規定そのものには変更はないものの、特に中小企業への急激な事務処理負担の増加は避けられるのではないかと思われます。
「みらいサポート会計事務所」のお客様へ無料でご提供させていただいております「顧問先様専用マイページ」では、
その他経営に役立つ最新情報を、随時、わかりやすくご提供解説しております。
いつでも、どこでも、スマホアプリからもワンクリックで!
情報は未来を開く鍵です!