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[相談]

会計事務所に勤務する者です。
担当している法人(消費税課税事業者、消費税は一般課税(本則課税)により申告)が求人活動を行うにあたり、Indeed(インディード)の求人サービスを利用しているのですが、先日、同社からその法人に、2022年3月1日から契約先が変更(Indeed SingaporeからIndeed Japanに変更)になる旨の通知メールが届きました。

その法人がインディードに支払う料金には、現在(2022年2月時点)は消費税が含まれていませんが、2022年3月1日からは消費税も含めた金額でインディードから請求されるとのことです。

その法人の消費税課税売上割合は99%であるため、現在、その法人がインディードに支払う料金については、消費税課税対象外として会計処理を行っていますが、今回のインディードの契約先の変更により、消費税法上の取扱いや会計処理を変更する必要があるのでしょうか。教えてください。

[回答]

2022年3月1日以降にインディードから提供を受けるサービスについて支払う料金については、リバースチャージ方式の対象から外れることから、通常の国内取引の場合と同様に、仕入税額控除の対象となるように会計処理を行うべきものと考えられます。

[解説]

1.消費税法上の特定資産の譲渡等にかかる消費税の納税義務と課税標準

消費税法上、事業者向け電気通信利用役務の提供(※1)及び特定役務の提供を「特定資産の譲渡等」といいます。

また、国内において事業者が行った資産の譲渡等及び特定仕入れ(事業として他の者から受けた特定資産の譲渡等をいいます)には消費税が課せられると同時に、事業者には、国内において行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れ(課税仕入れのうち特定仕入れに該当するものをいいます)につき、消費税を納める義務が課せられています(リバースチャージ方式)。

上記の特定課税仕入れに係る消費税の課税標準は、特定課税仕入れに係る支払対価の額(対価として支払い、又は支払うべき一切の金銭又は金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益の額をいいます)と定められています。

なお、電気通信利用役務の提供が国内において行われたかどうかの判定は、原則として、その電気通信利用役務の提供を受ける者の住所もしくは居所(現在まで引き続いて1年以上居住する場所をいいます)又は本店もしくは主たる事務所の所在地が国内にあるかどうかにより行うものと定められています。

  1. ※1 事業者向け電気通信利用役務の提供とは、国外事業者が行う電気通信利用役務の提供(※2)のうち、その電気通信利用役務の提供に係る役務の性質又はその役務の提供に係る取引条件等からその役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるものをいいます。
  2. ※2 電気通信利用役務の提供とは、資産の譲渡等のうち、電気通信回線を介して行われる著作物の提供その他の電気通信回線を介して行われる役務の提供であって、他の資産の譲渡等の結果の通知その他の他の資産の譲渡等に付随して行われる役務の提供以外のものをいいます。

2.特定課税仕入れにかかる仕入税額控除の概要

事業者(免税事業者を除きます)が、国内において行う特定課税仕入れについては、その特定課税仕入れを行った日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から、その課税期間中に国内において行った特定課税仕入れに係る消費税額の合計額を控除すると定められています。

なお、この規定には、

  1. ①国内において特定課税仕入れを行う事業者の各課税期間における課税売上割合が95%以上である場合には、当分の間、その課税期間中に国内において行った特定課税仕入れはなかったものとする
  2. ②消費税簡易課税制度の適用を受ける課税期間については、当分の間、その課税期間中に国内において行った特定課税仕入れはなかったものとする

という経過措置が設けられています。

3.インディードの契約先事業体の変更に伴う、消費税への影響

Indeed(インディード)とは、求人情報専門の検索エンジンサービスですが、そのサービスを利用する企業は、利用規約において、その所在国ごとに世界各国のインディード事業体からサービスの提供を受けることとされています。

具体的には、インディードのユーザーが日本在住の場合のサービス提供元事業体は、日本法人であるIndeed Japan株式会社(会社住所:東京都港区:2022年2月14日時点)とされていますが、2021年10月1日より前からIndeed Singaporeのアカウントを有する採用企業の場合には、別段の通知があるまでは、サービス提供元事業体はシンガポール法人であるIndeed Singaporeとされています。

この点について、インディードは、先般、日本在住のユーザーの契約先(サービス提供元事業体)が、2022年3月1日からIndeed Japan株式会社になることを通知しています。

このため、2022年2月28日までに日本国内のユーザー企業がインディードから提供を受けるサービスについては、上記1.の事業者向け電気通信利用役務の提供に該当することからリバースチャージ方式の対象となり、ご相談の場合、同日以前のサービス提供についてインディードに支払う料金については消費税課税対象外(仕入税額控除の対象外)として会計処理を行えばよいものと考えられますが、2022年3月1日以降にインディードから提供を受けるサービスについての消費税法上の取扱いは通常の国内取引と同じ扱いとなるため、同日以降のサービスについてインディードに支払う料金については、通常の国内取引の場合と同様に、仕入税額控除の対象となるように会計処理を行うべきものと考えられます。

 

 

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